砦なき者
良い役者が観られます |
●良かったところ
良い役者が揃い踏み、見ごたえある演技。
役所&妻夫木は特に見る価値あり。
DVD特典映像の役者・監督のインタビューが良かった。
民放ドラマにしては全体的に出来が良い。
●気になったところ
青年八尋がカリスマに上り詰めるところが早急すぎて違和感が残る。
せめて3時間半で緩急つけて描いて欲しかった。
作品としては★3つ、役者の見応えある演技に★4つ。
文学作品として |
この話は実話ではないので、「テレビ局が悪い、こうすべきだ」という捕らえ方をするのは安易すぎだと思う。
フィクションであるこの作品を通して、亡き野沢氏が私たちに何を伝えようとしていたのか、私たちがそれをどう感じるかが大切。
役者陣の演技ももちろん良いが、情報社会の強さと儚さ、そして人間の弱さを考えさせられる作品です。
最高につまらん |
すーっごいつまんないドラマだった。妻夫木君はよかったけど。。。
なんか、どこが泣けるのかわからない。
もとはといえば、ちゃんと裏をとらずに放送したのが悪いんじゃん。
それは放送するがわの落ち度でしょ。
あーいうことで、被害者になる人たちは絶対いるもの。今回のJR事故だって、白い車を持っていた人がまるで加害者のように言われて、被害者となってたし。放送するがわは、もっとちゃんと裏をとってから、放送するべき。数字数字のやりかたがおかしいんだよ!
何度観ても泣けます・・・。 |
ドラマで中盤から観て、ラスト30分、涙が止まりませんでした!
こんなやるせない、切ない話があっていいのかと。
気になって気になって、DVDが出たときには速買いしました。
最初から観て、脚本の秀逸さに一気にドラマの世界にのめり込みました、そしてまた妻夫木と役所のあのシーン・・・何度見ても胸が締め付けられます。カメラに収められていた真実、語られた孤独、彼が、彼らが最後に見たものは・・・・・・。
今年公開の「ローレライ」でも共演の役所さんと妻夫木君の演技対決、双方申し分ない実力とオーラで、買って損無しです!!
メディアが作り上げたカリスマの完全犯罪。 |
野沢尚さんの遺作になってしまった作品ですが、完全なる悪役の妻夫木くん演じる八尋の背筋も
凍るような静かなる狂気が作品全編を覆っているドラマです。
2000万人を巻き込んだ完全犯罪というフレーズに惹かれ、原作を読まずにこの作品を見ましたが、
テレビの向こうの得体の知れない視聴者という存在の怪物、その視聴者のカリスマとなった青年の
手にかかるメディアの巨大な砦に守られていたはずの人々の翻弄される姿。普段何気なく見ている
メディアの恐ろしさを見せつけられる作品です。
自分の意のままに大衆を操る青年八尋と彼の存在に正面から立ち向かうキャスター長坂の直接対決シーンの
ふたりの演技は一番の見どころです。
役所さん演じる長坂は、八尋にとって単なる憎悪の対象ではなく、
敵でもあり、父親のような存在だったのかもという複雑な感情を妻夫木くんの繊細な表現で感じますし、
八尋が流す一筋の涙はとても衝撃的でした。
役所さんは言わずもがなですが、妻夫木くんの才能を感じる作品で、鈴木京香さんほかの素晴らしい役者が
そろったドラマとしてはかなり贅沢なつくりの作品です。
原作にはなかったそうですが、長坂が自分の存在をかけて訴えるビデオのシーンは涙が止まりませんでした。
野沢さんがこのドラマを見ている人に訴えたかったことをそのまま長坂が語りかけているように思えて
ならなかったからです。
このテープで八尋の存在は崩れ去るのですが、長坂の発見された最後の姿が今となっては野沢さんに重なる
ようで、とても辛い場面でした。ですが、特典映像でスタッフの思いを感じながらじっくりと見て欲しい作品です。